東日本大震災が起こった3月11日を翌日に控えた10日、吉祥寺CLUB SEATAでご当地アイドルたちによる「東北復興支援チャリティーライブ がんばれニッポン がんばるアイドル~」が開催され、宮城・気仙沼のご当地アイドル SCK GIRLSのほか、S★UTHERN CROSS(鹿児島)・ 青SHUN学園(福岡)・MAGIC(高知)・WHY@DOLL(北海道)・ステーション♪(東京)・BELLRING少女ハート(東京)・多国籍軍(東京)・メグリアイ(東京)・佐藤あずさ など多数のアイドルが集結した。
ライブ開催に先立ち記者会見が行われ、宮城・気仙沼のご当地アイドル SCK GIRLS(産地直送気仙沼少女隊)のプロデュースを手掛ける阿部健一氏が、「震災後、しばらくの間気仙沼市では笑顔が消えてしまいました。近親の方々が大勢亡くなりまして、街のスーパーには商品が無くてさまよい歩く人がいっぱいいて誰も笑わない状況でした。」「そういった中、子供たちにも心の傷跡があるというのを8月になって気付きまして、心の復興、子供たちに笑顔を取り戻せというプロジェクトを立ち上げ、このSCK GIRLSを作りました。」 「そこから一年ちょっとになりますが、皆さんのご支援のおかげでここまで来れたことをすごく感謝しております」「気仙沼市の見かけの復興はまだまだなんです、被災地では建物を建てて良いかどうかもまだまだ決まってない場所もいっぱいありますし、仮設住宅の人たちも次に住む家がどうしたら良いのかわからない人もいっぱいいます」「初めはこの子達の心の復興の為にと始めたことですが、メンバー全員が気仙沼の為にそうしたことを広くアピールしていきたいと思っています」 とSCK GIRLSの発足のきっかけとファンへの感謝の言葉、気仙沼の状況とこれからのSCK GIRLSの活動について語った。
このあとSCK GIRLSのメンバー自身が撮影したという、印象に残る気仙沼・気仙沼周辺の景色を発表した。 リーダーのリセさんは 「私は津波で家が流されてしまって、跡地を撮ろうかとかそれとも今住んでいる仮設住宅を撮ろうか悩んだんですけども、私は大好きな地元の写真を撮りたいと思ってこの南三陸町・歌津にある歌津大橋を撮りました」「私は歌津が本当に大好きで景色も良いですし、海も本当にキレイで、そしてこの歌津大橋の上から見る景色が本当に大好きでした。でも残念ながらこの歌津大橋は取り壊しが決まってしまったのです」「本当に自分の地元が消えて無くなってしまうんじゃないかっていうのは、すごく失礼に思ってしまってるんですけど、今度は私たちが無くなってしまったところに新しいものを築いていけるように頑張って行こうと思っております。」と涙ながらに語った。
「私が撮った写真は津波で陸に上がってしまった船の写真です、震災でいろいろあったけどそれをバネにして頑張っています」とマリフィーさん
「私が撮った写真は、震災前は電車が通っていたんですけど、その震災で津波で流されてしまった線路を撤去して道路にしたところです、私はこの道路を通っていつも学校に通っています」とカオルコさん
最年少のカレンさんは 「私が撮った写真はお店に何も無いときの写真です、この写真は震災後にお店が復旧したので行ってみるとあんまり物がありませんでした、なのでお母さん・お父さん・おじいちゃん・おばあちゃんや家族が近所の人と協力して、私たちやお年寄りを優先的にご飯を食べさせてくれたりしました 」「今はお店も復旧し物もちゃんと有るけど、今復旧してないのは人々の心だと思います。なので、私は笑顔でみんなの心を暗い気持ちから明るい気持ちに復旧するように頑張っていきますので応援お願いします」と語った。
リカコさんは「私が撮った写真は、前私が大好きだった家とお父さんの事務所があった土地で復興に向けて頑張ろうということで、新しい工場を建ててお仕事やいろいろなことを頑張っていきます!これからも応援よろしくお願いします!」と宣言。
サブリーダーのマリカさんは「私が撮った写真は 母校の近くにある川の写真です、この写真の通り白鳥のいるきれいな川だったんですですが、震災によってその白鳥を見ることも出来ず川の状態も変わってしまい、きれいな川を見ることも出来なくなってしまったんです」「こういう状態にある場所は他にもたくさんあると思うんです、早くこのきれいな白鳥の見れる川に戻って欲しいなと思います」と語った。
「私が撮った写真は震災があってすぐの気仙沼・鹿折(ししおり)地区の写真です、鹿折には母方のおばあちゃんの家があって小さいころからよく遊びに行っていたんですが震災での津波と火事であたり一面何も無くなってしまいました」「写真では乾いた地面の部分もあるんですがこれは干潮時に撮った写真で満潮時にはほとんど海に沈んでしまいます」「でも震災から2年が経って道路も復旧し通れるようになっていますし仮設の商店街も建っていて本当にゆっくりではありますが前に進んでいます」と現在の状況を伝えてくれたサトミさん
「私が撮ったのは家族でよく釣りに行く海の写真です、 よく家族と釣りに行ってたんですが今ではガレキがあって魚を釣りに行けないのでここが早く復旧して釣りに行けたらいいなと思います」とトモカさん
学校の写真を撮ったというアリサさんは「私の友達の多くも震災で家を流されてしまいました、ですが私たちは心をひとつに復興に向け一歩づつ前に進んでいきます。」と決意を新たにしていた。
「私が撮った写真にはここに小さく防災無線が写っているんですけど、この防災無線は大震災のときに私たちに避難を呼びかけてくれた防災無線です、この景色を見ると今でもあの3.11の光景が頭をよぎります」「私たちはこれからも復興に向けて前に進んで行きます、私たちはこれからもあの大震災を忘れません」と力強く語ってくれたリノさん。
「心の絆創膏になる歌」について質問されたSCK GIRLSのリセさんは「私にとって心の絆創膏になる歌は”愛”じゃないかなって思います。私たちは本当にたくさんの方々に、被災地をなんとかしたいという”愛”をいただいていて、そして、その愛を返せるようにと活動をしてるんですけども、被災地で本当に悲しくなった時にもたくさん愛が溢れた歌を聞いて励まされてきました。その愛の歌を次は私たちが悲しい人たちに落ち込んでいる人たちに歌っていけたらいいなと思います。」と語った。
出演した全アイドルたちが寄せ書き・サインした応援フラッグを作成。 今回のライブでは収益の一部とLIVE中に設置した募金箱から集まった復興募金を一部の区間で運行の見通しが立っていない南リアス線の三陸鉄道株式会社に寄付されるという。
また、3月11日にはSCK GIRLSと鹿児島から各地でチャリティーライブを行ってきたS★UTHERN CROSSのメンバーが、気仙沼市役所を訪問し、復興応援のメッセージが寄せられた応援フラッグと義援金を届ける予定とのことだ。